スローフードにスローライフ 

最近、時々お目にかかる言葉である。正確な意味は知らないがなんとなくぼんやり分かる気がする。ファーストフードに対してスローフードがある。「よりあい向洋」はスローフードの典型であろう。料理は業務用加工品を一切使わずすべて手作りである。食材の野菜の多くはNPOひょうご農業クラブの野菜を使っているから種から料理まで一貫した手作りである。どうぞゆっくり召し上がって下さい。

ところが、この間あるマスコミからNPOひょうご農業クラブに対して取材の打診があった。なんの取材かとたずねると”スローライフ”について話題にしたいという。しばらくその意図が飲み込めなかった。NPOひょうご農業クラブにはいろいろな人が関わっている。元サラリーマンで途中退職した人、定年でリタイアした人、フリーライターのような自由業の人。それに現役バリバリの企業人などなど。それぞれの人たちがそれなりの思いや意味を持ってNPOひょうご農業クラブと関係を持っている。ここが大事なのかもしれない。

つまり人々の生き方の変化の表れがここに見られるということであろう。企業人、組織人、サラリーマン人生だけが生きる道ではないということ。多様な働き方、生き方があり、その場をみんなが求めはじめている。束縛、管理社会の閉塞感からの解放を自然の自由な場に見つけ出そうとしているのかもしれない。NPOひょうご農業クラブにいろんな新しい視点からの注目が寄せられていることにとまどい、驚いている。そのような視点が増える度ごとに当クラブの役割やミッションがふくらんでいくことになるのであろう。

文・増田 大成

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